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不登校から閉じこもりに

高校で不登校になった後、10年くらい閉じこもり生活が続いた男性のケースです。初めに相談に来られたのはお母さんです。
両親の仕事は公務員です。お父さんは職場ではではとても評判がよい人でした。しかし、家庭では妻や息子さんに対して「専制君主」的で、息子さんにはよく体罰をしていました。夫婦の間も会話がなく、息子さんのことでお母さんが話し合おうとしても、なかなか話し合いにならず、お父さんはすぐに怒り出すのでした。息子さんは不登校になったあと自分から望んでひとり暮らしを始め、その部屋で閉じこもっていました。
お母さんも家を出て、息子さんと同居するようになりました。自宅のお父さんとは連絡を取る気にならず断絶していましたが、カウンセリングに通うようになってからお父さんに電話できるようになり、お父さんと会うようになりました。お父さんのほうも、お母さんの言うことに少し耳を傾けるようになりました。
やがて、お父さんは、お母さんと一緒に相談に来るようになり、私の勧めで息子さん宛てに手紙を書きました。お母さんにチェックしてもらい、お母さんを通じて息子さんに渡しましたが、息子さんは「口先だけだ」と文句を言っていたそうです。
息子さんは、ずっとお父さんに対する恐怖、怒り、憎しみなどを溜めつづけていました。お母さんにはずっと父親非難を言いつづけており、「あいつの顔を見たら、ただですまさない」と言っていました。
かなり経ってから、お父さんは思いきって、お母さんのいる時に、息子に会いに行きました。息子さんはお父さんの顔を見ると、意外にもきちんと挨拶し、ちゃんとした対応をしました。息子さんはまだまだしんどい状態ですが、やっとお父さんと接触したのです。
どんなに嫌っていても、父親が心を開こうとすれば、子どもはきちんとそれを感じ取るのだと思わずにいられませんでした。